ちびキャラタクティクス攻略 大臣の指令


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「各ステージの開始前に、王国の大臣がプレイヤーに状況説明と指令を与えている」
という設定のちびキャラタクティクスの二次創作です。




<プラクティス1>

ようこそ将軍。貴殿の着任を心より歓迎する。

初任地がこのような長閑な所で面食らったことと思う。
残念ながら貴殿の名声はこの国までは広まっておらず、異民族でもある貴殿を陰では快く思わぬ者も多いようだ。
だが心配には及ばない。実戦にて武勲を重ね、力量を示せばおのずと支持も集まるだろう。
憎き魔王軍との終わりなき戦いの中で、その機会は存分に与えられるはずだ。……それ自体は全くもって嘆かわしい事なのだが。

さてここは、我らが王都のある大平野の一角である。
この辺りはスライムがまばらに現れる程度の極めて危険のない土地だが、最近この近辺でゴブリンを見たという報告が挙がっている。
ゴブリンの現れる場所では決まってろくなことが起きない。スライム退治をしつつそのゴブリンを捜索し、仕留めるのが今回の作戦だ。
初任務の成功を楽しみにさせてもらおう。

平野に暗躍するゴブリンを撃破せよ。


<プラクティス2>

王都のあるこの平野に、魔物がほとんどいないのには理由がある。城下町の外れに生えている「天空の樹」という御神木がそれだ。
神話によるとこの大樹は神が植えたものとされ、その枝葉からは聖なる力が絶えず周囲に振りまかれている。
この清浄な空気の中では例え魔王ですら魔力を著しく失い、人間に対する脅威となることができなくなるのだという。
おかげでこの平野一帯は安全が確保されており、それゆえここに王城があるという訳だ。

だが大魚を獲る網の目を小魚がくぐり抜けるが如く、微弱な魔物はこの空気の中でも活発に行動できる。先の作戦で貴殿が駆除したスライムもそうだ。
その事に最近気付いたらしい魔王軍はゴブリンの小隊を組織し、天空の樹に対する破壊活動を目論んでいるとの情報が入った。
もし天空の樹を失おうものなら、この大平野は何の庇護もない無防備な土地となる。そうなれば後は王城を一気に落とされ、国が瓦解するのみだ。
断じてそのような事があってはならない。将軍には天空の樹を防衛する任につき、これを襲う魔物を確実に阻止してもらいたい。
無論、王都や城下町、その近隣の町村の保護も怠らないことだ。

天空の樹を守り抜き、襲撃部隊を一掃せよ。


<プラクティス3>

貴殿の働きにより天空の樹、ひいては王都の安寧は守られた。
だが魔王軍はなおも樹の除去を企み、さらに大規模なゴブリン部隊を編成しているという。北部から街道沿いに南下する手はずのようだ。

この動きは王国軍の斥候により早期に察知できたため、我々には策を講じる時間が与えられた。そこで将軍には迎撃作戦を指揮してもらう。
作戦地点は大平野の北端を縁取る山脈の、さらに北の森林地帯とを結ぶ切り通しだ。ここならいかに大群が来ようとも無理なく堰き止められるだろう。
この地点を抜かれると地形的な障害は最早なく、天空の樹までなだれ込まれるのみとなる。何としてもここで止めてもらいたい。

だが斥候は南下作戦の他に、伏兵が用意されているとの情報も持ち帰ってきている。
詳細はつかめずじまいだったそうだが、少なくとも正面の敵だけに気を取られるべきではないだろう。

南下作戦を阻止し、部隊長を打倒せよ。


<プラクティス4>

この地方の領主城は太古の火山口が土砂で埋まり、カルデラと呼ばれる盆地と化したところに建てられたものである。
切り立った岩山に包囲された地形は天然の要害としてよく機能し、長年に渡りこの城は難攻不落を誇ってきた。

だがそんな堅城も、黒死病の流行という災厄には無力だった。
流行りはすでに終息しているが、この疫病により領内の人口は激減。生産並びに経済規模は著しく縮小してしまった。
とりわけ建築関係は壊滅に近い状態にあり、修繕する者のいなくなった各地の建物は荒れるに任せる有様だという。
さらにはこれを好機と見た魔王軍が、部隊をけしかけ攻勢を強めてきている。
盆地の内外を結ぶ関所の中には崩壊寸前のものもあり、これらが破られない保証はない。

幸い我が王国軍は、土木作業に精通した職人をも数多く擁している。
まずは彼らに関所の応急修理を施してもらい、守りを固め直した上で反撃に出るのがよいだろう。

城の安全を確保しつつ、侵略部隊を撃退せよ。


<プラクティス5>

ここは王国最大の湖である。中央の小島には古代の遺跡が残されており、伝説によると恐るべき邪神が封印されているとされる。
この言い伝えはどうやら真実だったらしい。この一見して戦略価値のない湖に、魔王軍が突如として部隊を差し向けて来たからだ。
すでに遺跡のある島の真上には強大な飛竜が陣取り、辺りを哨戒するかの如く旋回している。誰も近付ける状態にはない。
その後にもゴブリンの小隊が多数と、屈強なトロルまでもが投入されるとの情報が届いている。

だが吉報もある。今回の作戦に限り、貴殿は百戦錬磨の傭兵集団を起用することができる。
何のことはない、湖畔の街に住む豪商が独自に斡旋したのだ。何でもするから助けてくれということらしい。
ともあれ、戦闘経験の豊富な人材を使えるのは大変に有利である。彼らを存分に活用し、魔王軍の思惑を挫くのだ。

湖に集結する敵部隊を駆逐せよ。


<卒業試験>

王国の食糧庫と呼ばれる大農業地帯が魔王軍の侵略を受けた。
敵はこの一帯を焼き尽くし、王国民を兵糧攻めにする算段のようだ。南部はすでに占拠され、新型のゴーレムに居座られている。
ゴーレムはただでさえ非常に耐久力の高い強敵だが、ここに現れた個体はさらに強力な兵器をも内蔵しているようだ。
このゴーレムにはすでに十数名の兵士が、近付くことすら出来ないまま返り討ちにされている。だがその先の農村を保護するためには交戦は避けられまい。

侵略部隊そのものもこれまでになく大規模である。敵将までたどり着くにはかなり長時間の戦闘が要されるはずだ。
それまでに各所の防衛地点を死守し、戦線を支え切れるかが重要になる。力の見せ所となろう。

さて、将軍に良い知らせがある。ここしばらくの貴殿の活躍ぶりに、国王陛下は大変満足しておられる。
そして此度の作戦が成功した暁には、貴殿を客将ではなく正式に王国軍に迎え入れたいとの御言葉を賜っている。
他ならぬ貴殿自身のためにもここは奮戦してもらいたい。

侵略部隊を殲滅し、農業地帯を死守せよ。




<戦火の渓谷>

改めて、将軍就任おめでとう。これで貴殿も王国軍の一員、名実ともに我々の戦友である。
これからはさらに困難な作戦も任されることになるだろう。我らが王国の栄光と平和のため、より一層の活躍を期待している。

この渓谷は北西は砂漠、南西は草原、東は森と、様々な地方に通じている交通の要衝である。
それだけに魔王軍も、この地の掌握は過去に何度となく画策してきた。此度も部隊を組織し街道の支配に乗り出してきたようである。

今回の侵攻の主力は北西部、砂漠地帯から接近してくるゴブリンの軍団だ。同時に南東からはトロルが関所へ攻め上がってくる。
ゴブリンに対してはすでに柵を設け、襲撃に備えてある。ここを防御線とし迎撃を図るのがよいだろう。
また渓谷沿いや森林地帯など、奥まった位置にある集落が多いのも懸念事項である。魔物の急襲に対する準備が必要となるだろう。

渓谷への襲撃部隊を撃退せよ。


<夜明けまで>

ここは王国軍と魔王軍の戦いにおける、歴史的な激戦が繰り広げられた場所である。
見渡す限りの荒れ地がその名残りだ。人も魔物も無数に斃れたこの地は、亡霊もまた数限りなくひしめく魔境と化してしまった。
これを鎮めるべく荒野の各所に慰霊碑が建立され、霊たちが現世で荒ぶることはなくなった。……なくなったはずだった。

だが魔王の悪しき魔力は、この鎮魂の力さえも凌ぐようだ。最近では死霊が不死者と化して地上に這い出し、旅人を襲う事件が度々報告されている。
問題は奴らが慰霊碑を破壊しないかということだ。一つ二つなら何とか持ちこたえられるそうだが、四つ全て失えば亡霊を抑える蓋は完全に取り払われる。
後に待つのは死者の天下だ。かつて魔王軍の進攻を押し留め、今もこの地にある城塞都市と言えど呑み込まれてしまうだろう。
不死者どもはすでに魔王軍の統率下にあり、組織的に慰霊碑を狙う可能性は否定できない。充分に警戒しつつ不死者軍団を打ち砕くのだ。

慰霊碑を守護し、不死者どもを鎮圧せよ。


<捕食者達>

渓谷の防衛戦の際、南東の大草原からスライムの群れが現れたのを覚えているだろうか?
この草原では近頃、スライムの増殖や行動の活発化が問題視されている。それこそ他の地方にまで侵出してくるほどだ。

これら増長の原因については、大規模な巣が作られている、スライムの「親玉」がいるといった様々な憶測がなされている。
そこで将軍にはこの草原へ赴き、スライムを駆除すると共に原因の調査を行ってもらいたい。
増殖の源が判明した際は、無論それを排除することも任務のうちに含まれる。

スライムの群体とその根源を撲滅せよ。


<巨人の進撃>

事態は一刻を争う。かいつまんで説明したい。

北東部の水上都市が巨人の脅威にさらされつつある。敵の動きは予想以上に早く、すでに街まで数日の距離まで近付かれている。
現地へ通じる街道もトロルに抑えられているが、一息に突破しなければ街の救助には間に合わないだろう。
いま接近している巨人以外にも、数多くの巨人やトロルが後詰めとして待機しているという。だがまずは、何よりも街の安全確保が最優先だ。

水上都市を襲う巨人兵団を駆逐せよ。


<大街道>

奇妙な被害報告が舞い込んできた。荒野を横切る大街道を異形の魔物が占拠しているというのだ。

この魔物……魔物と呼ぶべきなのかすら判然としないが、それはとにかく名状しがたい。外見は黒い輪のようで、皮膚はワニのものとも竜のものともつかないという。
最大の特徴は機動力と攻撃力だ。その俊敏さは走れば軍馬にすら追いつき、名うての射手でも容易には捉えられない。
そして触れずして相手の体を次々に打ち砕く、謎めいた特殊能力を持つとされる。ごく近距離でしか発現させないとはいえ、一度襲われればまず命はないとのことだ。

このような不可思議な魔物が、街道に山ほどたむろしているという。……いるのだそうだ。
一体どこまで真に受けたものか、判断に苦しむところだが……それらのせいで街道の両端にある集落が、互いの行き来が出来ず困っているのは事実らしい。
とりあえずは現地で状況を確認し、必要なら対処と、魔物の出所の究明に当たるべきだろう。……このような作戦を任せてしまい申し訳ない。

謎の魔物を一掃し、街道の安全を確保せよ。


<中央学園都市>

突発的な事態だが、今一度状況を確認したい。

ここは王国でも随一の権威を有する大学府の敷地である。周囲には学生たちのための寮や商店も多数設けられており、さながら大都市の様相を呈している所だ。
この学園都市に突如魔王軍が侵入した。奴らに洗脳、または自ら魂を売った魔女どもが、学生に混じり密かに潜入していたのだ。
敵は大量の不死者を召喚し、敷地の大部分をすでに制圧している。学園は完全に敵に取り囲まれた形だ。

魔王軍にとっての誤算は、将軍とその部隊がたまたま行軍の途中でこの地に居合わせていたことだ。私も所用で学園を訪ねていたのが幸いした。
包囲網を形成する魔物の数は膨大だが、魔女自身には大した用兵能力はない。落ち着いて各個撃破していけばたやすく打ち破ることができよう。
また魔女は魔王軍の中では下位の使い走りに過ぎない、ということはこの侵略の指揮官が別に存在することを意味する。
それを撃破するところまでが此度の戦いとなるだろう。

魔女率いる魔物軍団と、黒幕たる指揮官を共に打破せよ。


<雪中防衛戦>

どうにか間に合ったようだ。幸運を神に感謝したい。

この城塞都市は現在、複数の巨人の接近を許しつつある。通り道の街道には砦が設けられていたが、すでに守備兵は全滅し建物の崩壊は時間の問題だ。
ただ一人逃げ延びてきた生存者によれば、巨人はこちらの攻撃を受けたそばから見る見る傷が回復し、まるで倒しようがなかったのだという。
私の知る限り巨人にそのような能力はないはずである。何か裏があるのだろう。巨人との交戦が始まる前に、いち早くそれを突き止め阻止しなければならない。

いま姿が見えている巨人以外にも、相当数の巨人がこの地に向かってきているとの情報もある。
だがこの攻撃を主導しているのは巨人ではなく、魔王軍から派遣されてきた部隊長とのことだ。それさえ撃破できれば大勢は決するだろう。

城塞都市に迫る巨人と、彼らを操る指揮官を打倒せよ。


<天空に浮かぶ城>

ここは高山の平たい頂上一帯を占める、王国で最も標高の高い位置にある領地である。
ここの領主城はその立地から天空の城の異名を持ち、周辺の風光を含め名所として広く知られている。そんなこの山岳地帯にハーピーの大群が押し寄せてきた。
森と崖だらけの地形で身動きの取りにくい我々と、空を自在に飛べるハーピー。地の利は完全に敵の側にある。
いかにこの不利を埋め、確実に敵を落としていけるかが今回の作戦の鍵となろう。

守るべき集落や史跡は狭い尾根の上にも点在し、敵の襲撃に先んじて人員を送るのは困難と思われる。どこまで手を回せるかは不透明と言わざるを得ない。
また未確認情報だが、山のふもとからハーピー以外の戦力を送り込んでくるようだ。
さらにははるか古代にこの地の各所に遺棄された、強大な破壊兵器の起動をも魔王軍は狙っているらしい。決着を急がないと厄介なことになるかも知れない。

ハーピー軍団を始めとする襲撃部隊を掃討せよ。


<静寂の誘惑>

この大霊園には歴代の王侯貴族や大司教、戦場で命を落とした兵士といった数多くの死者が葬られている。
戦死者たちの中には屈強な戦士も多く存在する。魔王軍は不敬千万なことに、彼ら生前の強者たちを邪念と共に地上へ蘇らせているのだ。

この地を治める領主の居城は元々あった聖堂に手を加えただけのもので、軍事拠点としての耐久力は全くと言っていいほどない。
魔物の接近を許せばひとたまりもない。スライムの一体たりとも城に近付けさせないことだ。

この城の脆さを補うために、周囲には魔物の動きを鈍らせる結界が配置されている。
結界が有効なのは術式塔からごく近い周辺だけだが、効果は覿面とのことである。ここで敵を迎え撃つのがよいだろう。
だが術式塔そのものを破壊されないよう注意されたい。

不死者と化した兵士たちを昇天させよ。


<レコンキスタ>

恐るべき事態が勃発した。魔王軍が世界最大の神殿に攻め込んできたのだ。

神話によればこの大神殿の建っている地こそが、神が降臨し、世界と人類にあまねく恵みをもたらした場所とされている。
神殿の中心部にある祭壇は神の恩寵の言わば受け皿である。万一これが破壊されるようなことがあれば、それは神からの全ての恩恵を失うことを意味する。
司祭たちは治癒の法術を何一つ行使できず、かの天空の樹も聖なる力を発揮しなくなる。その瞬間に魔王軍の勝利、王国の敗北が決定付けられるほどの一大事なのだ。

これほどの大それた蛮行に出るだけに、魔王軍の行動は迅速かつ抜かりがなかった。
大神殿へ向かう道はすでにゴーレムの集団に阻まれ、アリの子一匹通る隙間もない。その奥ではすでに破壊活動が始められているという。
現地に通じる道はもう一つ、北東の町から西進するルートもあるのだが……時を同じくして、突然この道は塞がってしまった。
谷間の道に唐突に山が出現したのだ。土砂崩れの類ではなく、山一つが忽然と姿を現したということだ。全く奇っ怪だが、町民たちも口を揃える確かな情報らしい。
真相は不明だが、所要時間を考えてもこの裏道は使えそうにない。苦戦は必至だがゴーレム部隊を正面から打ち砕き、押し通るほかないだろう。

他にも大小様々な魔物がこの地に潜伏、および集結しつつあるとの情報が入っている。
総合的にかなりの大軍隊を相手にする、厳しい戦いとなるのは避けられない。だが王国の存亡はまさにこの一戦に懸かっている。
どうか勝ってほしい。貴殿の健闘を心より祈る。

魔王軍の襲撃を撃滅し、大神殿を奪還せよ。




<ウォーターランド>

聖地奪回作戦は大成功のうちに終わった。ひとえに将軍の卓越した采配によるものである。
この勝利には多くの民が喝采を上げており、王城の中でも貴殿を名将と褒め称える声が何度となく聞こえるほどだ。その名声は今や不動のものと言って良いだろう。

だが魔王軍にしてみれば、この結果は王国崩壊の決め手を阻止された痛恨の敗戦ということになるはずである。
いよいよ手ぬるい真似はできぬとばかりに、これからはさらに攻勢を強めてくるのは間違いあるまい。
あるいは四魔王――魔王軍の首魁たる強大な魔人たちとの、直接対決の日も近付いているのかも知れない。心積もりはしておくべきだろう。

さて此度の任地は、西の高原に広く存在する湖沼地帯だ。
風光明媚なこの土地は富裕層の別荘地として知られ、今の国王陛下御夫妻も結婚旅行の地にお選びになったことからますます注目を集めるようになった。
そんなこの地にも魔王軍による侵攻の兆しが確認されている。貴殿にはこれを迎撃してもらいたい。

敵軍の編成は悪路に強いハーピーに加え、北東の森からはスライムの大群、西からはトロルが攻め込んでくるとのことである。
だが問題はむしろ、我々の足場の悪さの方にある。森と川が複雑に絡み合った地形は、各所の町村を守るにあたっては容易ならざる障害と言わざるをえまい。
また領主城の南には、地元住民が決して近寄らない禁断の地というものがあるらしい。詳細については誰も口を開かないという話だが、念のためこれも留意すべきだろう。

湖沼地帯を荒らす魔物の軍勢を掃討せよ。


<ロレンス街道>

粘り強い交渉が功を奏し、我らが王国は砂漠の民との同盟締結に成功した。
これで砂漠を貫く街道の通行が容易になる上に、魔王軍との戦いにおいても彼らの援助を受けられるというものである。

だがこの吉事を嘲笑うかのように、魔王軍がこの砂漠にも侵略の手を伸ばしてきた。攻めてくるのはゴーレムとゴブリンの混成部隊だ。
目下の懸念事項は南東の山際にある砂漠の民たちの聖地である。彼らの信仰の拠り所への攻撃を許した日には、せっかく築いた同盟関係も白紙へと戻りかねない。
街道に点在する集落もいずれも規模が小さく、戦時には強力な庇護を要する。それぞれを確実に守り、友軍として堅固な信頼の証を示すのだ。

侵略部隊を制圧し、街道と聖地の安全を確保せよ。


<無人の野>

以前スライムの大量発生が問題になった大草原の中央に、唐突に盛り上がった小高い独立峰が存在する。
中心部には城が築かれ、そこへ通じる山道と山道の間には多数の街が栄えている。多くの地域を結ぶ交易の中継点として、これらの都市は古くより大変に発展してきた。

そんなこの都市を再びスライムの大群体が襲いつつあるという。それも四方八方からの包囲攻撃だ。
間違いなく魔王軍主導の強襲作戦である。中にはあのブロブというスライムの大将格も、少数ながら混じっているとの報告が寄せられている。
さらには草むらに紛れる植物の魔物や、突然岩肌が襲ってきたという話もある。……後者はさすがに幻術か何かの類か、伝令の聞き間違いかだと思われるが。
ともかく、目に見えている敵だけに気を取られてはならないということだ。

再び大草原に現れたスライム集団を鎮圧せよ。


<巨人の山>

この広大な盆地は現在、巨人の一族による攻撃を受けている。
巨人たちは現地の情報によると、盆地を取り囲む山地の奥深くに隠れ里を設け、古来より独自の文化と共にひっそりと暮らしていたという。
この地の領民とも交流があり、相互不可侵の関係にあったのだが……最近一族の中の若者たちが魔王軍に唆され、奴らの軍門に下ってしまったとのことだ。
いま脅威となっているのはその若者衆と、巨人一族の子飼いのトロル共だ。彼らは族長や長老たちの説得にも耳を貸さず、人里に降りては破壊行為を行っている。

領主と族長の会談はすでに成されている。族長はこの一件について深い謝罪の意を示し、我々が若者衆と戦うことに対しては黙認するとのことだ。
彼らのリーダー格さえこちらで討ち取り、統制を崩してしまえれば後は一族の中だけで何とかするとの確約も取り付けている。
だがこの盆地を含めた山岳地帯一帯は長年に渡って巨人の勢力下にあり、外敵に備える必要そのものが今までなかった。
そのため砦のような軍事拠点は一切なく、貴殿は言わば徒手で巨人の集団を迎撃することになる。部隊運用の練度の見せ所だろう。

過激派巨人のリーダーを撃破し、争乱を終息させよ。


<魔王ダンタリオン>

王国はついに四魔王そのものを討ち、魔王軍との戦いに決着を付ける決定を下した。
将軍の数々の活躍により、魔王軍には何度となく強力な打撃が加えされた。王国の領地や兵力の損耗も見違えるほど軽減されている。
そして国王陛下自らの満を持しての御決断である。我々もまた打倒魔王を明確に志した、本格的な軍事行動を開始することとなった。

第一の標的には魔王ダンタリオンが選ばれた。事前情報では最も身辺の守りが手薄とされていたこの魔王を討伐すべく、我々はここ東の山脈へ進路を取った。
だが魔王の方が一枚上手だったようだ。最寄りの鉱山都市に着くやいなや、街の北から凄まじい規模の大軍隊が姿を現したのだ。
どうやら意図的に警備を減らし、敵をおびき寄せた上で一気呵成に叩き潰す計略らしい。狡猾で知られる魔王にまんまとしてやられたという訳だ。
しかも未確認の情報によれば、魔王はその魔力を用いたさらなる計略を企てているという。

ここで取れる選択肢は二つだろう。一つは街の安全を重視し、敵襲を全力で受け止めつつ機を見て兵力を分割、魔王討伐に向かわせるか。
もう一つは街の防備は最小限にし、攻撃が本格化する前に急襲隊を編成、いち早く魔王を撃破するか。
斥候によれば敵はほぼ全戦力を都市の攻略に宛てており、魔王自身の守備においては予備兵員は見当たらないとのことである。
自分の所まで攻め入る暇などあるまいと魔王が考えているのなら、その油断を狙い撃つ余地は充分にあるだろう。
どちらの戦法を採るかは貴殿に委ねる。最善の選択により魔王撃破の突破口を開いてほしい。

魔王ダンタリオンを打倒せよ。


<コープス・ナイト>

ここはかつて自らの悪政によって滅び、今は王国領に併合された大帝国の首都だった都市である。
高い城壁と整然とした区画、古式ゆかしい街並みは今でこそ良き観光地だが、当時は圧政にあえぐ市民たちの怨嗟渦巻く「呪われた都」という悪名で知られた街であった。

そんな忌まわしい歴史を具現化しようと魔王軍は試みているらしい。不死者を主体とした魔物の大部隊がこの古都に押し寄せつつある。
悪霊は無辜の者の恨み、魔女はその疑いを掛けられ処刑された女たち、吸血鬼は血税を吸って私腹を肥やす暴君といったところか。なかなかに悪趣味なことだ。
もっとも吸血鬼に関しては比喩ではなく、その毒牙に掛かると血と共に生気、戦う気力さえも奪い取られてしまうという。
街の入口は柵で塞いであるが、空を飛ぶ魔物や長距離攻撃を行える魔物が多く、城壁も含めてあまり役には立たないかも知れない。防備を怠らないことを助言しよう。

不死者の軍勢を一掃し、呪われた都の再来を阻止せよ。


<防衛遊戯>

全く信じ難い事態に陥ってしまっているが、ともかく現状を一から整理しよう。

将軍の部隊は先の任務を終えた後、この領主城に立ち寄り私と落ち合った。そして城に一晩の宿を取り、朝を迎えたところでこの異様な現状が発覚した。
一夜のうちに城の周囲の地形が、見渡す限りに一変してしまったのだ。まるで城ごとどこか別の場所に飛ばされてしまった……とでも例えるべきなのだろうか。

偵察に出した斥候の話では、辺りは家一軒見当たらず深山が広がるばかり。その中をただ二本貫いていく街道は、どこまで進んでも限りがなかったという。
しかもその見知らぬ街道の彼方から、未知の魔物が続々とこの城へ向かってきている。
この魔物は外見こそスライムと酷似しているが、攻撃力はスライムどころか巨人さえはるかに凌ぐようだ。近付かれたら命はないと思ってよい。

不可解極まりない状況だが、将軍の部下の従軍占い師は一つの推測を示している。これは集団催眠、すなわち非常に大規模な幻覚を我々全員が同時に見させられていると。
この見立てが確かだとすれば、いま我々は魔王軍の術中にある。何らかの方法で打破しなければ永遠に幻の世界を彷徨う羽目にもなりかねない。
占い師によるとこのような大掛かりな幻術を展開するに当たっては、付近には必ず術者、あるいは何らかの媒体のようなものが配備されるらしい。
それを見つけ出し撃破すれば事態を打開できるかも知れない。確証はないがやってみるしかないだろう。

幻術の根源を発見し、これを破壊せよ。


<侵略!宇宙人>

不可思議な事件の報告が入った。全く何もない所から、突然複数のゴーレムが現れたというのだ。

場所は周囲を切り立った岩山に囲まれた盆地で、魔物と言えどこの山を越えられるのはハーピーくらいのものである。ましてやゴーレムなど分け入れるはずもない。
他の地方との行き来は領主城のそばにあるトンネルを通じて行う。無論ここをゴーレムが通った様子もないが、しかし現にゴーレムはそこにいる。
そればかりか盆地の各所に居座り、道を封鎖してしまったとのことだ。城の反対側にある鉱山都市は現在孤立状態になる。

これは半ば噂話のようなものだが……ゴーレムの存在が確認される少し前に、盆地の中央にある湖で奇妙な光を見たという兵士の話が寄せられている。
また各所のゴーレムは時折その湖の方角を見やり、あたかも何かを待っているかのような素振りを見せているとの報告もある。
これらがいかなる意味を持つのかは不明だが、ゴーレムが明確な意思をもって妨害行為を働いている以上、これは看過し難い問題である。

今後さらにゴーレムが出現しない保証もない。貴殿には至急現地へ赴き、既存のゴーレムの駆除及び、その発生源と行動目的を突き止めてもらいたい。
それが王国にとり有害なものであれば、事が大きくなる前に未然に阻止することだ。

謎のゴーレム集団とその目論みを打ち砕け。


<災厄の日>

北部の城塞都市に魔王軍の精鋭部隊が迫りつつある。
この街には名医がいるとのことで、王女殿下が病の療養のため一時的に王城から移り住んでおられた。それが魔王軍に察知されてしまったものと推測される。
狙いは言うまでもなく殿下の身柄だろう。万が一にも魔王軍に拉致された場合の、その後のことなどとても考えたくはない。

部隊の内訳はトロルと巨人、そして竜だ。魔王軍も本腰を入れてこの作戦に掛かっていると見える。
王女殿下は未だ病床におられ、急な避難に耐えられる御容態ではない。ここで敵を正面から迎え撃つのが唯一の対応策である。
恐るべき集団の襲来を前に、城塞都市は恐慌状態のようだ。狼狽する兵たちの士気が取り戻されるよう、領主は名将たる貴殿の入城を心待ちにしているという。
困難な戦いは必至だろう。だが殿下の御身を守れるのは、貴殿をおいて他にいない。

城塞都市を強敵集団から防衛せよ。


<魔王アロケス>

思いもよらぬ相手から挑戦状が王城に届いた。会戦による決闘の申し込みで、指名されたのはなんと将軍……貴殿だ。
送り主の名は四魔王が一翼、魔王アロケス。魔王ダンタリオンを討ち、先の城塞防衛戦においても絶望的な戦力差を覆した貴殿に、奴は感嘆し興味を抱いたとのことらしい。
決闘の舞台は北西の海辺、港町と海峡を挟んでまみえる小島だ。この島は二本の大橋で港町と直接繋がっている。
もし将軍が応じないならば、守る者のない港町を存分に破壊するという。拒否権はなさそうだ。

アロケスは姦計を忌み嫌う武人とも、全てを力で解決させんとする暴虐の化身とも言われる魔王である。
もっとも実際の人となりがいかなるものなのか、はっきりとした情報はない。思わぬ罠なり伏兵なりが隠されていないか、用心はすべきだろう。
大橋を渡り切った対岸には、直立不動でたたずむ一体の巨人が確認されている。並の巨人をもさらに凌ぐ巨躯の個体で、一戦交えるとなれば苦戦が予想されよう。
だがかの「災厄の日」をも切り抜けた将軍のことだ。この魔王にも果敢に挑み、勝利を収めてくれることを確信している。

魔王アロケスを討伐せよ。




<海上宮殿>

魔王軍を束ねる四魔王のうち、ダンタリオン、アロケスと二体の魔王が将軍の手により滅び去った。
王国軍の快進撃は民に勇気と誇りをもたらしている。王宮詩人の詠んだ「王国に神将あり」の文句から始まる叙事詩は、王城に止まらず城下町でも大人気だ。
無論、神将とは貴殿のことだ。貴殿が王国きっての英雄であることを疑う者は、最早この国には誰一人としていないだろう。
魔王軍との終わりの見えない戦いにも、ついに終止符が打たれるのかも知れない。平和の訪れる日が来るのかも知れない。
そんな期待が全国民から貴殿の一身に寄せられている。どうか彼らの願いに応えてほしい。

ここは南の海に浮かぶ大司教の住まいである。今は亡き大帝国の皇帝が金に飽かして建造した、宮殿という名の別邸をそのまま利用したものだ。
この海域は一種の霊地であるらしく、常に魔力が渦巻きそこに立つ者に力を与えるという。宮殿はまさにその中心部にあり、大司教も精神統一に役立てているらしい。
だが魔性を秘めた海域は船にとっては難所であるようで、昔から海難事故が絶えず、それにより浮かばれざる亡霊が多数漂う場所ともされている。

魔王軍もこの力を欲して襲撃に現れたようだ。敵部隊にはその霊魂や魔女、吸血鬼といった、魔力の豊富なこの地に適した魔物が揃えられている。
また魔王軍がごく最近生み出したという、改良種の魔物が控えているとの情報もある。正体は不明だが、警戒を怠るべきではないだろう。

宮殿に寄り付く魔物部隊を一掃せよ。


<モンスターハウス!>

全く忌々しいことだが、我々はまたも魔王軍の幻術に取り込まれてしまったらしい。

今回は四方八方を完全に岩山に取り囲まれた、逃げ場も隠れ場もない平地が幻の世界のようだ。
そして今この時点で、この城はすでに大量の魔物に包囲されている。わざわざ柵で囲いが作ってある様子からして、魔物の牧場か何かのようにも見えるが不明である。

占い師によれば今度の幻術はさらに効力が強く、本来なら我々はすでに正気を失い狂人と化してしまっているはずらしい。
そうならないのは元の世界の領主城のそばに偶然建っていた、邪気払いの聖跡が幻術から我々を守っているからとのことだ。
その聖跡はここ幻の世界の中でも存在しているようだが、これを全て魔物に破壊されると加護は失われ、我々は二度と幻術の中から逃れられなくなるという。
絶対に魔物を近付けさせないよう注意されたい。後は前回と同じく、幻術の発生源を突き止め阻止するのみだ。

再び幻術の根源を叩き、幻の世界を打破せよ。


<誰かがそこに>

ここ東部の湿地帯にて、最近奇妙な事件が多発している。旅人や村人が姿の見えない何者かに襲われているというのだ。
この沼地には将軍も他所で目にしただろう蔦草の魔物がいるが、それらともまた違うらしい。ゴブリンもよく現れるがこれも当然無関係である。

一体何者なのか、そもそも魔物の仕業なのかどうかも見当もつかない。正直なところ貴殿に回すべき案件なのかさえ判断に迷ったものだ。
だが実際に犠牲者が出ている以上、これは王国軍による治安維持活動の範疇ということになる。まずは現地にて原因の調査に取り掛かってもらいたい。

一つ言えることがあるとすれば……もしこれが魔物の類の仕業であるならば、姿を目視できないだけに大変な苦戦を強いられるものと思われる。
見えない相手をどのように察知するか、どのように狙い澄まして攻撃を加えるべきか。事前に熟慮しておく必要が出てくるのだろう。

湿地帯の怪異の正体を突き止め、これを鎮圧せよ。


<魔王アスタロト>

四魔王が一翼、魔王アスタロトの所在が判明した。
場所ははるか東部の山峡の奥深く。峻峰の合間を竜が飛び交い、地表をブロブが埋め尽くす大陸有数の大魔境と名高い所だ。
斥候が偵察に向かった際には、それらの魔物は不思議と影も形も見当たらなかったとのことだが……ダンタリオンと同じ手口だろう。今更騙されまい。
峡谷の底は狭く足場も悪く、かつ複雑に入り組んでいる。一方で竜たちはこの天然の迷路を易々と飛び越え迫ってくる。
守るにせよ攻めるにせよ、非常に難儀する地形と言わざるを得ない。

だが最大の難関は、この連山に住む竜を統べる存在――パワードラゴンだろう。地元の村落では竜王の異名で知られる、全身が黄金色の鱗で覆われた竜である。
一説には四魔王にすら追随すると言われるほどの大物で、本来は魔物の支配など受け容れぬほど気高き存在のはずだった。
だがここにいる個体は、明らかにアスタロトに付き従うかの如くその眼前を動こうとせず、近寄って来た人間には自ら空より襲いかかり焼き殺しにくる。
堕落を操りあらゆる知性を骨抜きにするアスタロトのこと、竜王を篭絡させることすら容易いというのだろう。

ともあれ、この強敵をどうにかしなければ魔王にすらたどり着けない。
貴殿と言えどこの一戦は難しい戦いとなるかも知れない。覚悟が必要だろう。

魔王アスタロトを成敗せよ。


<冬戦争>

王国最北端の豪雪地帯に対し、魔王軍の攻勢が掛けられるとの情報が密偵より入った。
ここはかねてより魔王軍との小競り合いが絶えない地方だったが、すでに四魔王のうち三体までが撃破された魔王軍はいよいよ窮地に立たされつつある。
この劣勢に際し、巻き返しを図っての今回の軍事作戦と思われる。敵の士気を挫くためにもここは完膚なきまでに叩きのめしたいところだ。

敵部隊は領主城を取り囲むように、あらゆる方角から進軍してくるようだ。
とりわけ厄介なのが魔女の一団だろう。南東の崖沿いの小道を下ってくる彼女らは、強力な呪術を使い手向かう者を見る見る衰弱させるという。
また魔女どもはその呪いを、崖の脇を流れる大河にも掛けてくれたらしい。現在この河は怨霊の湧き出る泉も同然とのことだ。
放置すると河に近付くことすらままならず、余計に魔女の始末が難しくなる。それぞれ確実に抑え込みたい。

魔物軍団を殲滅し、この地方での戦闘状況に決着を付けよ。


<聖十字稜>

この山ほどもあるピラミッド状の建造物は、王国の樹立よりもはるかに過去の時代に存在した伝説的な闘者の墳墓である。
その闘者の愛弟子にして当時隆盛を誇った覇王が、死没した師への敬愛を表すべくこの巨大な墓を造り上げたのだという。
闘者たちの間では聖地として古くから崇められており、彼らが集ってできた街や神殿が墳墓の頂点にひしめいている。領主城もその神殿が元になったものだ。

そんなこの巨大な墳墓に、魔王軍が大規模な侵攻を企てている。狙いについては不明だが、一部には墳墓に眠る闘者の遺骸が目当てという見解がある。
魔王軍は強者だった人間の屍を、生前の能力を保持したまま不死者として使役する術を最近編み出したと聞く。
撃破された四魔王たちに代わる新たな戦力を求めての蛮行ということである。理由はどうあれ、死者の安寧を守るためにも墳墓への侵略は許すべきではない。

墳墓は四方の結界塔で守られているが、結界を飛び越えられるハーピーと、阻まれるべき肉の体も魂も持たないゴーレムには通じていないようだ。
結界塔が全て壊されれば他の魔物を堰き止めるものが無くなり、墳墓の外で待ち構えている大群に押し包まれ一巻の終わりとなる。くれぐれも注意されたい。

巨大墳墓をゴーレム軍団から防衛せよ。


<はじまりの地>

三度、我々は幻術に囚われたようだ。
だが今回は様子が違うらしい。此度の幻の世界の中には、なんと町や村が存在したのだ。
当然そこには住人がおり、訪れた斥候が話しかけたところ「ここは勇者への試練の場。大義を果たす力を示せ」という事を言われたというのである。

そこで思い出したのが、とある文献に記された創世記だ。それによればこの世界は始めは混沌とした泥の海で、神はその泥から万物を創造したのだという。
やがて永い時間が過ぎ、泥の海は地平線の彼方まで広がる大草原と化したとされる。もっとも知っての通り、神が最初に降り立ったのは例の大神殿というのが定説である。
この神話はあくまで異聞なのだが、しかし城の外にあるのは正にそこに語られた創世の世界である。何が真実なのかは私には判断し難い。

先の斥候によればこの草原では、知識にある限りのありとあらゆる魔物がひしめいているとのことだった。その中にはあの竜王こと、強大な金色の竜もいたらしい。
彼の言葉を借りるならば、それはあたかも我々の戦いの記憶を振り返っているかのような光景だったという。
これが我々の力を試す試練だというのであれば、狙うべきは最も強い魔物――金竜だろう。それが成れば元の世界へ帰還できるのかも知れない。
我々は魔王軍との戦いをせねばならない。このような状況は速やかに脱すべきだろう。

元の世界へ戻るべく、金竜討伐を遂行せよ。


<魔王バルバトス>

ついに四魔王最後の一体、魔王バルバトスが姿を現した。自らが手勢を率いて王国に侵攻してきたのだ。
場所は南部、我が国最大の兵士養成学校を有する軍事都市。私の出身地でもある……いや、今のは余計だった。

この魔王の最大の脅威は、浴びた人間をことごとく焼き尽くす殺傷力のある閃光の放射だ。
光の及ぶ範囲は想像を絶するほど広く、この地図に描かれた一帯全てを呑み込むほどである。繰り返す、この一帯全てがだ。
直接光を浴びさえしなければ害はないので、屋内にいれば安全は確保される。だが建物の中に引きこもっていては戦いなど出来るはずもない。
外ならどこにいようが身を焼いてくる閃光をいかに耐え凌ぎ、戦線を維持しながら魔王に迫るか。策を見出さない限り勝利は成し得ないだろう。

敵軍の構成は巨人に魔女、さらに竜。巨人の中には魔王アロケスが従えていたタロスも多数確認されているという。
そして我々を追い詰めるかの如く配備されたゴーレム部隊。すでに一団がこちらへ前進を始めており、間もなく橋を越え都市部に突入してくるはずだ。
街の人々は全て屋内に避難させた。後は貴殿の手腕に全て託すしかない。これが四魔王との最後の戦い、正念場だ。

魔王バルバトスを撃滅せよ。


<ラストステージ>

祝勝会の最中に将軍を突然呼び立てたのは他でもない。貴殿に急用ができた。
……魔王軍の健在が確認された。戦いはまだ、終わっていない。

魔王軍との完全勝利の報に沸く王国に対し、「魔王」自らがその存在と戦いの続行を宣言した。
どうやら魔王を名乗る実力者は、貴殿が撃破してきた四体の魔王で全員ではなかったらしい。
それら以外にもう一体、存在すら秘匿されていた言わば第五の魔王が満を持して表舞台に出た……ということのようだ。

第五の魔王の居場所はすでに特定している。大平野の隅、巨大な湖を臨む位置にある古代の神殿跡だ。
この地に突如として強大な魔物の数々が出現し、最寄りの街は混乱のるつぼと化している。終戦が言われた矢先にこれなのだから無理もあるまい。

斥候がわずかな情報を持ち帰ってきた。「魔王は何体もの屈強な魔人に護られている」、それだけ言い残すと満身創痍だった彼は息を引き取ったという。
何もかもが唐突で詳細の知れない、全く未知の脅威である。だが退く訳にはいかない。魔物の脅威を除くために。王国の平和を取り戻すために。
今度こそ真の最終決戦である。貴殿に勝利を。そして無事に帰ってきてくれ。

第五の魔王を倒し、魔王軍との戦いに終止符を打て。




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